薬罐だって、 空を飛ばないとはかぎらない。水のいっぱい入った薬罐が 夜ごと、こっそり台所をぬけ出し、 町の上を 畑の上を、また、次の町の上を 心もち身をかしげて、 一生けんめいに飛んで行く。 天の川の下、渡りの雁の列の下、 人工衛星の弧の下を、 息…
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