花という一語をめぐった考察など、今に始まったことではない
…などといいながら、これはちょっと恐ろしかった
「花の肖像」というタイトルの本は他にもあるようですが、15年前の1993年刊の、
四方田犬彦(花子)、
伊集院静(宵の花)、
末永蒼生(神々の花、神々の色)、
養老孟司(人体花境―生物にとって花とは何か)、
高橋周平(花というラビリンス―写真史にみる花の系譜)、
赤瀬川原平さん(低音の花と高温の花)
この6人の「文集」は、
まさに言葉の花、いや、花という言葉を集めるエッセイ
まず「花子」ですが、なぜにこれが乞食の意味であるのか…。
栄光の中心の華ではない、花は移ろいゆく薄倖に向かうという。
花=遊興、濫費、花のごとく祭礼の列に並び、銭を投げ与えれば花ように散りて祝儀を拾うもの、という意味であると、
娘に「花」という名前をつけた竹田泰淳さんの書物で初めて読んだという。
…この四方田さんのと養老孟司さんのが日用語から切断された言葉遣いで、恐ろしかった
(以下、のちほど)