蛇の鱗
笹間良彦さんの「蛇物語」です
蛇に関する信仰・俗説そして伝説・説話をもって、人と蛇のかかわり合いの歴史を振り返る
・・と「序」にありますが(「民俗学方面の一考察」)
あまた挙げられているそれら(「蛇と執念」等の伝説)に最後まで付き合うのはつらいのでピックアップでざっと見たという感じですが
特筆すべきは二つあったかな?
ウロコとウロコ文
吉野裕子さんの例の本に挙げられている『扶桑略記』の
伊勢神宮の斎宮の夜の衾におちている蛇の鱗の話はおかしい
→蛇の鱗は一枚ずつついているものでない。表皮がたたまれて全身を覆っている。
落ちる鱗はない。
(目の表面ですら透明の表皮でおおわれているので瞼を必要とせず瞬きもしない)p26
しかし「鱗文」というものが存在するようだ
弁財天はインドのサラスバティ(Sarasbati)を神格化した土地豊穣の神で、
河のうねり流れるさまが蛇(Naga)に似るので蛇との結びつきが生じた
ヴェーダ時代に入ってさらに音楽の神としての思想が入り、知恵の神バーチとも結合した。
弁財天信仰が日本に伝わった時点で、宇賀弁天を生じた
江の島に文覚上人が弁財天を勧請
北条時政がこの神社に参詣した際、蟖たけた女性が現れ大蛇の鱗を三つ残していった
この鱗をもって北条系の家紋とした(by『太平記』弁財天より賜った吉祥紋)p38
社殿を設けず神を祀ることは古い形式
伊勢神宮・・社のないのは瀧祭神=龍神(蛇体 産土の神)・・水底に御神体がある
天照大神が祀られる以前からの神
外宮に祀られる豊受大神 豊穣の農業神
(内宮・・女神、外宮・・男神。食物をつかさどる神)
宇賀(ウガ・ウガヤ)の語は梵語でも白蛇を意味する(p29)
鱗文は色子形といって蛇に限らず魚の鱗にも比定しうるから、南方の海洋系の民族に広く行われるデザインである
インドでは男性原理△女性原理▽
ウルトラセブンについての目から鱗
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神話の象徴的な意味
・・このところそのあたりなんですが
「意識の起源史」の改訂版の表紙は・・あの猫を乗っけたクレタの女神になっていました・・・
前の訳書の表紙は蛇の口から吐き出される「イアソンの帰還」http://www.geocities.jp/kraumjp/reisenaruto5iasonnewpage1.html
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