猫頭の文房ブログ

人間を獣頭人身で「分類」すると、私めは猫頭。その書斎もとい文房(自室)日常ブログ

「現代新書カフェ」

私は最近の小説を読まない方なので
赤坂真理さんって知らなかったのですが 
講談社 現代新書カフェ〜101〜
http://eq.kds.jp/kmail/bn/?r=l&m=8より以下引用

 日本語とは、日本とは、なんだろう、と思った最初は、15歳だった。
 そのころ私はアメリカの東海岸の果てに一人でいて、ホストファミリーの家
から高校に通っていた。
 なんの脈絡でかは覚えていない、脈絡などなかったのかもしれない。ある上
級生の少年が、私にこう訊いた。
 そのままの語順で再現するなら、こうだった。
「どう書くの/君の名前を/チャイニーズ・キャラクターで?」
 何を言われたのかがわからなかった。私の名前と「中国人の性格(キャラク
ター)」の間に、何の関係があるのかと思った。一瞬むっとしたくらいだ。私
は中国人じゃない、日本人だ。あなたに区別がつかないかもしれないけれど、
明確にちがうものなんだ、私は中国人の性格など帯びていない! と。
 そしてなぜかわからないが次の瞬間、卒然と私は理解した。記憶がクリック
音とともに噛み合う音が、脳内でしたくらいだ。
〈チャイニーズ・キャラクターって、『漢字』のことか!〉

ミューズ (講談社文庫)

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ヴァイブレータ (講談社文庫)

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