「抱」の声符は包、包は人の腹の中に胎児のいる形で、つつむむ、くるむ、いれるの意味がある。
手で包むことを抱という。[老子・第19章]に「樸(はく)を抱く」とあり、人間の本来の素朴な心を守ることをいう。
・・と白川静
ところで『包み』(額田巌著)によると、
包むという行為には「包まれたものが浄化される」という約束事があるという
品物には様々な内容が含まれているにもかかわらず、包むことによって、清濁、聖俗のみに焦点を絞ってしまうという。
家に閉じこもって人と会わないことを「つつしむ」といい、「さえぎる」という意味も発生して、障壁の意味のある「堤」が生まれたと展開している。
神聖なものを守るための決壊の一種、ということで、
まもるということも言っているようだが・・
(以上は「和力」からの孫びき)
額田巌(1911年 - 1993年)工学者 Wikipedia
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久しぶりに『漢字暦』(平凡社)を見ているのであるが
まもるという訓のある字は
「抱擁」の擁も抱きかかえて「まもる」の意味ともあり、出ているが、
「守護」の護が無く、代わりにでているのは、
「吾」や「戍」である・・
「戍」は人が戈を負うて守る意(辺境を守る)
「守」は盾を手に重要な建物を守る
「吾」の五は木を交差させ上下に板をつけて作った器物(二重の蓋)で、口は祝詞を入れる器の形。祈りの効果を守ることをいう