猫頭の文房ブログ

人間を獣頭人身で「分類」すると、私めは猫頭。その書斎もとい文房(自室)日常ブログ

「美しい夏の行方」

辻邦生の「美しい夏の行方」読了
中公文庫である
1999年7月急逝される直前の刊行〔旅はその12年程前〕
http://www.trancewave.tv/~iyosaiken/tosyo/1999_09.php
(上はこの二つの旅に編集者として辻さんに同行した方の記)
中公文庫では、一番に
『背教者ユリアヌス』が挙げられている
(デビュー作『回廊にて』は新潮文庫にある)
自慢ではないが辻邦生の小説を読んだことは一度もない
主に北杜夫の親友として或いは加藤周一と混同するような位置で
読んだ気になって都合良く忘れていた・・という感じ
なので、これから読む楽しみが残っている
http://www.kisweb.ne.jp/personal/masahirookazaki/tsujizensyu.html
それはさておき、
スタンダール同様「書くことが最大の快楽」の辻邦生の真夏のイタリアの旅の幸福感
生きる喜び、ただ地上にある幸福〔歓喜〕、太陽と恋と海と旅
「ばら色に染まる海の上に神々の過ぎゆく姿を目にする」なんて、まるで、ホメロスのあれですね
ヴァレリの詩を引用していますが

海よ 海よ 常に繰り返し打ち寄せる
ああ一すじの思念のあとにかえってくるもの
神々の静けさの上への長い凝視よ


イタリアに行くなら夏!と 
そしてパレルモですね〜
シチリアの映画の話もありました
「カオス/シチリア物語」(タヴィアーノ兄弟)
「太陽がいっぱい!」(ルネ・クレマン)
「山猫」〔ヴィスコンティ〕
「ゴッドファーザー」
「窓からの眺め」
「シチリア!シチリア!」もあったような気がする 

※おまけ

The Guest Cat

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