猫頭の文房ブログ

人間を獣頭人身で「分類」すると、私めは猫頭。その書斎もとい文房(自室)日常ブログ

作詩が科挙で最も重要な科目だった理由

漢検1級を復習し、再チャレンジしようと思い立ったが、
最新の頻出度順問題集から、まず「四字熟語200 」というノートを作った。
私には漢字というと、それ(四字熟語)が第一に浮かぶので。
クイズみたいな国名や植物動物名の当て字や熟字訓ではなくって。
(もとよりそれは試験でも書けなくてもよくて読めれば良い)
ついで、漢検三略から「四字熟語800」も作成中だが・・・
ところで!!??
四字熟語は「故事・成語・諺」の部に関係しているが、
もっとその背景や基本的なことをおさらいできる新書を読むことにした。
まず、岩波新書の『四字熟語の中国史 (岩波新書)』(冨谷至 2012年2月刊)だが

漢文はなぜ難しいのか。漢字で書かれた文章を正確に解読くすることは誰にでもできることではない。
当時の学者でもあっても、決して簡単ではなかった。多くの注釈、訓詁が作成された。
士大夫・読書人=文字を読み文章を書ける人間=官僚、豪族
「民は之に由らしむべし、之を知らしむべからず」(『論語』秦伯篇)
読書人と庶民との区別がはや孔子の時代から存在していた。

排他的という・・
以下のあたりがなるほど・・

漢文は句読点をつけない白文が一般(白文を理解できないものは相手にしない)
自己の読書人としての資格を顕示する目的
典拠を持つ言葉 「編蒲」から「苦学」を瞬時に連想できないものは読書人とはいえない

何か最近ニュースで見た韓国の大学修学能力試験の凄まじい状況を思った

四六駢儷体(六朝時代)と詩文
読書人・士大夫階級の差別化‥読解力のレベルを時代を追って高くしていかねばならない
詩文(字数、平仄、対句・・作文の中で最も難しい)→作詩が科挙で最も重要な科目だった理由

・「駢」とは2頭の馬が並んでいることを表し、対句を基本とする文体であることを意味し
内容的には典故や装飾的な修辞を多用する点に特徴がある(Wikipedia
・駢儷とは「ならべる」と言う意味で、4字と6字をもとにして、対句表現を行う文体をいう。(世界史用語解説

Wikipediaの四字熟語の項では、此の詩文の件が抜けているWikipedia閲覧20161108
ただし、

本来、四字熟語(中国語では成語)は、漢民族独特の表現体系であった。

・・とはあるが、その方向で掘り下げてなく、メインは日本における話・・

国語教育においては語彙力を問う目的で四字熟語が試験などにおいて問われやすい。常識的な四字熟語を試験に採用すれば、故事の知識や漢字の読み書き能力をみる問題の作成が容易


今日の四字熟語」こんなサイトが有りました(現在熟語数1827のようだ)
ちなみに女偏に霜と書いて、未亡人ですよ(訓:やもめ)
男偏はないのですが ←人間だから、人偏!(士とか老も関係ありだが)
しかしこの「やもめ」に関しては魚篇なのがちょっと笑える
http://gogen-allguide.com/ya/yamome.html

ニュースというと、「歌詞すべて四字熟語!その数41種 ボイメン新曲は氣志團提供」中日スポーツ20161118

「♪疾風怒濤、英姿颯爽、一致団結、威風堂々…」

何か勇ましい、凛々しい?岩波ジュニア新書もいいかも
漢語の知識

漢語の知識 (岩波ジュニア新書 25)

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四字熟語の中国史 (岩波新書)

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