図書返却前に、荷風の52歳の日記を 少々抜書きして、返しに行きます
曇り(小雨)です
(昭和5年2月14日)
小星昨夜突然待合を売り払い再び左褄を取る身になりたしと申し出、色々利害を説き諭せども聞かざる様子
(中略)
女のいうところも推察すれば決して無理ならず、余一時はこの女こそわがために死に水を取ってくれるものならめと思い込みて力にせしが、それもはかなき夢なりき、
唐詩に
万事傷心在目前
一身憔悴対花眠
黄金用尽教歌舞
留与他人楽少年
といえるものまさに余が今日の悲しみを言い尽くしたり
(中略)
余満腔の愁思を遣るに詩を以てせむと欲するも詩を作ること能わず、僅かに古人の作を抄録して自らを慰むるのみ
別れたわけだが、
この後も犬が病死したら、一緒に似ている犬を見に行って買ってやったり、
病気の際はお見舞いに行ったりして
評伝によれば
この小星(歌)は、荷風が亡くなる数日前にも御見舞に行っているようだが? ・・
(昭和5年7月11日)
唖々子が八年目の忌日なり
(中略)
余平生 唖々子の小伝を作らんと思いながら老いて懶(ものう)く遂に果たさず、年々物事忘れ勝ちになり行けばここに思い出るままを識し置くべし
・・この46で亡くなった親友(中学の学友)については、もう、荷風が書いたこと以外残らない
ローマ
ローマのほかは、基本行かないつもりだった
イタリアの五大都市というの、ローマ、ミラノ、ナポリ、フィランツェ、ヴェネツィアというわけだが、
このうち、ミラノ、ヴェネツィアは全然行かない
ナポリはポンペイに行く前に、フィレンツェはボローニャに行く前に列車で通り過ぎるかもしれない・・
フィレンツェというと、ダンテであり、ミランジェロだけど・・
いやぁ、たどり着けない気分・・