猫頭の文房ブログ

人間を獣頭人身で「分類」すると、私めは猫頭。その書斎もとい文房(自室)日常ブログ

2005年の橋本治さんと桐野夏生さんのエッセイ

たまたま読んだのが両方2005年刊の本で
「橋本治という行き方 What a way to go!」(橋本治著) 
「白蛇教異端審問」(桐野夏生著)

両方、基本楽しくない・・ちょっとあくび・・(__)
しかし前者の「始まりのない文化」「すでに始まっていた文化」というの古事記の話は面白かった

イザナミ・イザナキ登場前後の世界観に、ほれぼれとした
『古事記』の冒頭は「何かが始まる」ではなくて、「我々は始める」なのだ。
イザナミ・イザナキは「苦労して自分たちの家を作った」というようなものではないのである。
既に「家」というものは存在していて、そこに「家であることの重要な概念」を発見していったのである-それが『古事記』における「神を生む」なのだと私は思う。
『古事記』の始まりは「天地創造神話」でもあるが、『古事記』に「人類創造」はない。
私は『古事記』を「人が神を創造した神話」だと思う。
『古事記』は「始まり」を生みださない神話なのである。

後者の「白蛇教異端審問」のほうなのだが
腹を括って物を書くとは・・という小説教
林芙美子の詩・・芙美子さんの腸(はらわた)
⇒?=白蛇=小説

露悪的な気分と
とっちらかった腸をどう始末しようかとうろたえる他人を、横たわった地面の冷たさを頬に感じながら、目の端で笑っていたいような意地悪ともいえる客観性(がなければ書けない小説)

10年分で1冊程度の量になるにすぎず、この中の、「国境マニア」がベストエッセイ2003にえらばれている・・
桐野夏生さんのは、とにかく、小説を読んだ方がいいなと思う。
なので、次回『ハピネス』を読む予定