猫頭の文房ブログ

人間を獣頭人身で「分類」すると、私めは猫頭。その書斎もとい文房(自室)日常ブログ

映画史・メディア史

映画史に興味がありますが、
『現代メディア史』(佐藤卓巳著 岩波・・
1998年刊なので20年近く古い・・もう一冊借りている同じ著者・同じ岩波の『現代史のリテラシー』岩波2012年刊)
第5章が、「視覚人間の『国民化』」(視覚の近代化=国民化)という
タイトルを挙げると
1.映画以前の視覚メディア
2.映画の「発明」(映画は発明でなく、雑種的起源の新案登録?スクリーン=銀幕、ムーヴィー、ピクチャー。シネマ、フィルム・・)
3.アメリカ―国民の創生(映画が作ったアメリカ)
4.イギリス―帝国の黄昏(視覚の機械化で世界の最先端だった。しかし。イギリス映画というものは存在しない、古典主義のイタリア・フランス嗜好、原作への忠実さを求める保守主義、伝統的な民衆文化の厚みが映画製作の障碍になった)
5.ドイツ―カリガリからヒトラーへ(伝統の厚みと観客層の薄さ、前衛芸術、表現主義映画1919、ウーファ黄金時代)
6.日本―「殖産興行」(戦争映画熱、活動写真からキネマを経て映画へ、時代劇という独自なジャンル)

フランスはリュミエール兄弟が出てきますが、あとのイタリアやロシアはない・・・

現代メディア史 (岩波テキストブックス)

現代メディア史 (岩波テキストブックス)

ところで、TSUTAYAの新作の「タイム・ハンターズ〜19世紀の海賊と古文書〜」というのを見たのですが、
う〜〜ん、設定がまるでわからない・・・そのあたりがちゃち・・
スマホアプリで好きな時間に行けちゃうみたいだけど、時間調整サービス??
主人公がハンサムなのはイイけれど、ちょっと退屈なロシア映画である
(少しの政治性あり)

話を戻すと。

映画史は通常、
(1)サイレント時代(1895-)
(2)白黒トーキー時代(1929-)
(3)色彩トーキー時代(1935-)
(4)大型映画時代(1952-)
(5)ビデオ普及時代)1980-)に分けられる(p100)

映画の大衆消費「市場」、1920年代の全アメリカ国民は毎週1回は(映画館で)映画を見ていた・・・という

現代メディア史 第8章も映画
「トーキー映画と総力戦」
1.〔大衆運動〕のイメージ
2.総力戦とシステム化(リュミエール方式シネマトグラフの黄昏⇒エジソン方式のキネトスコープへの復帰とも
いえる)
3.アメリカ―ニューデイールのメディア(ニュース映画の消滅、スペクタクル映画)
4.イギリス―ケインズ主義の限界(最もイギリス的な映画は「チップス先生さようなら」(1939)byアメリカ人監督、記録映画の伝統)
5.ドイツ―政治の審美化(亡命者ベンヤミンのことば、芸術の政治化、アメリカに次ぐ映画の輸出国)
6.日本―戦時=戦後の黄金時代(邦画フアンは地方の下層階級、洋画フアンは都会の上流階級、時代劇がテレビに移行、やくざ映画・ポルノ映画の観客がビデオに流れると限られた観客層に、邦画が再び注目を浴びるのは、テレビからの逆流した全く新しい日本の国際商品「アニメ」)

タイム・ハンターズ 19世紀の海賊と謎の古文書 [DVD]

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