さらに、メディア論の続き・・(まとめに苦戦中)
人は今や同じ場所で接することなく、「直接に」コミュニケートすることができる、ということについてだが・・
「メディアの進化は、人や出来事の経験における物理的存在の重要性を低下させてしまった」と、J・メイロウィッツ(『場所感覚の喪失」)・・・
「新しいメディア秩序の中で、伝統的なマスメディアが時代適応しつつ活動する」と、藤竹暁(『日本のマス・メディア』)
インターネットの時代でも過去のメディアが、機能を変化させて適応している。
問題は人間の思考方法・社会生活をメディアが変えるということ。
1911年生まれのマクルーハンは、メディアによる原理的な思考様式の変化を言う。
ラジオの登場は1920年代、その時何が変わったのか?
「コミュニケーション」の語義を、「交通」(物理的移動)から「情報伝達」に変えたことだという。
情報へのアクセス回路と物理的場所の伝統的な結合(社会的序列)の解体、
「場所」の脱神秘化(J・メイロヴィッツ)
「距離に規定された権威の平準化」
ことばによる強制的同一化。
伝統的な権威や合理性による支配に対しカリスマの突出を生み出した。大衆的参加的な社会に。
参加感覚とその共感により世論を生み出す。
ラジオを国民的合意の調達に利用する「ファシスト的公共性」
速報性を生かし、非常時のメディアの花形となった、時間を区切りチャイム、国民生活を統制するメトロノーム(by佐藤卓巳)
人々が相互行為する「社会的セッティング」を電子メディアが再組織化することによる影響
1920年代のラジオ(ラジオは無線電話テレフォンの延長である)の登場、1950年代のテレビ(テレヴィジョン)の登場ということだが、
両方とも、英語で、接頭辞 tele-「遠く」をもち、電子メディア(電気を利用する媒体)とくくることができる
オーディオ(音声)情報とビジュアル(映像)情報
テキストの用語に従えば、媒介的・共時的・公的・一方向的(疑似双方向的)なもの。
テレビのゲーム番組は、アメリカ文化すなわち参加を重視する民主主義の象徴
テレビは電子的暖炉(byロバート・パットナム)
電気は、英語のElectrocityのことである。その語源はElectrum(コハクのこと)である。
電気という言葉は、物体に生じるさまざまな電気現象(たとえば、摩擦電気、電磁誘導、
電流作用、電波作用など)を起こさせるもとになるものとして把握される。その電気現
象のもとになるものは、電子である。http://www.ne.jp/asahi/thongo/web/media/genndai6.pdf
現代を表すキーワードの1つとして「デジタル(digital)」があげられる。デジタルと
は、非連続(あるいは離散的)という意味で、連続を意味する「アナログ(analog)」
という言葉に対応する。
Electrum・・ここを読んで なぜかハリー・ポッターの呪文を思い出した
エクスペクト・パトローナム(Expecto patronum)(守護霊よ来たれ)
結局マクルーハンか?
「メディアそれ自体が、ある種のメッセージ(情報・命令など)をすでに含んでいる」
「テクノロジーやメッセージは、人間の身体の「拡張」である」
・・
しかしマクルーハンは1980年に死んでいる。
インターネットの時代は1990年代からである。
これ以前に重要なものとしては、1980年代のビデオ・ビデオカメラの普及である
電子メディアを私的・双方向的 な方向へ向かわせた。
インターネットは
計算する機械であったコンピューターを、記憶拡張の機械とし、その小型化で、パーソナルコンピュータ化し、
ネットワークをつなぐ
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『マクルーハン生誕100年メディア(論)の可能性を問う』の用語集とか面白い
いくつか深掘りしたい言葉が残った
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