猫頭の文房ブログ

人間を獣頭人身で「分類」すると、私めは猫頭。その書斎もとい文房(自室)日常ブログ

「我ら以外の人類」

本日の読書
我ら以外の人類・・この場合、先史学というか「古人類学」となるらしい
「アウト・オブ・アフリカ」説ですが、

人類の祖先と思われるものがにアフリカで発生して全世界に広がった。第一回目の拡散をアウト・オブ・アフリカとよび、およそ150万年〜180万年前のこととされる

別に、カーレン ブリクセンの作品〔アフリカ農場〕(アウト・オブ・アフリカ)の映画化で
アウト・オブ・アフリカに変えて「愛と哀しみの果て」とタイトルをつけたので、
ネットの翻訳で、こちらでも「愛と悲しみの果て説」と出るのがおかしかった(笑)

われら以外の人類 猿人からネアンデルタール人まで (朝日選書 (783))

われら以外の人類 猿人からネアンデルタール人まで (朝日選書 (783))

この本は朝日新聞社の記者の本2005年
他にネアンデルタール人関係のの本を並行して読んでいるのですが、
学者の本と違って、俯瞰的にトピックがまとまっている〔読み物的〕

発掘者〔リーキ一族〕の余話の方が中心な部分もあり、
ルロワ・グーランについては、

中央フランスのアルシ―・シュル・キュール遺跡はアクセサリーで着飾ったネアンデルタール人がいたことで有名です。
通称トナカイ洞窟と呼ばれていたその洞窟がグーランによって発掘さえれたのは1949〜63年にかけてでした。一番下にはいかにもネアンデルタール人が作ったらしい無骨なムステリアン文化の石器がありました。いちばん上のホモ・サピエンスが作った石器をどけると、その下には、ちょっとぶきっちょな石器が見つかりました。さらにこの層からは、動物の歯や骨、象牙などで作ったアクセサリーが36個も見つかりました。(p238)

・・という感じですが・・・

一番新しい「ネアンデルタール人の首飾り」2008年の刊
2008年の方

ネアンデルタール人の首飾り

ネアンデルタール人の首飾り

  • 作者: フアン・ルイスアルスアガ,岩城正夫,Juan Luis Arsuaga,藤野邦夫
  • 出版社/メーカー: 新評論
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ネアンデルタール人はヨーロッパで進化したが、現代人の方はアフリカで進化した。しかし3万年、前という時代には、我々の祖先とネアンデスターる人は、身体的にも行動面でもそんなに違っていなかった。両種のはっきりと異なる進化が起きたのは比較的最近のことであり、その時代に脳の第二次の重要な増大が起きた。
この過程の最も驚くべき成果は分節言語であり、・・〔p316〕

「意識と意識と切り離せない言語」
適切なデータを自動的・無意識的に早く選別できるメカニズム
ネアンデルタール人より目立つ知能を持っていたわけではない
「社会生活はポーカーゲームに比較されることがある」


人類は、たくさんの種類があったということ、ネアンデルタール人がヨーロッパ土着の人類だということと
色素の沈着した肌を人種的劣等性質・原始人的と感じる感覚に反して
皮膚は白く、赤毛であったこと。
類人猿の牙〔犬歯)がその猛々しいイメージと違って、植物性の食性〔かたい物を食べる〕の証であり、
人類の歯にキバがないのは、肉食の故であるというのは、私には、「そうだったのか」(へぇ〜!?)であった
してみると、人間の原罪は他の生き物〔動物〕を食べるということだと思う・・仏教的ですが・
フランスとスペインは、旧石器時代のロックアートの最大の所有者として特別視されてきた

クリスティン・ホークスらの「おばぁちゃん仮説」については、反論の的になりすぎて異議なくみとめることができない、とある
Wikipediaおばあさん仮説

おまけ:こちらの ナショナルジオグラフィック同じく2008年の号
ネアンデルタール人その絶滅の謎
http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/0810/feature02/


アフリカ農場―アウト・オブ・アフリカ (筑摩叢書)

アフリカ農場―アウト・オブ・アフリカ (筑摩叢書)

  • 作者: カーレンブリクセン,Karen Blixen,渡辺洋美
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1992/11
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Out of Africa 愛と哀しみの果て (スクリーンプレイ・シリーズ)

Out of Africa 愛と哀しみの果て (スクリーンプレイ・シリーズ)


ネアンデルタール人に関する本、最後に読んでいるのは、
「ネアンデルタール人類」の謎に迫ろうとした学者・アマチュア〔冒頭に登場人物一覧あり〕に対する
「できる限り正確な、でも私たち自身の先入観と偏見のそれとわかる印象の刻みこまれた物語」という本・・
1998年青土社刊中島健訳〔原著Erik Trinkaus and Pat Shipman 1992)
ここでは、
ダーウィンも巨人として描かれていないし、悪い意味のアカデミズムや欠陥のある人物像や闘争的な人間関係・論争、後からする誤認の嘲笑、などなどの「読み物」が・・
しかし結局科学の歴史はまっすぐ「真実」に向かっている?
最近の見解の所に挙げられているのは

〔ヨーロッパ中部のネアンデルタール人と原人類に共通する大腿骨の特定の特徴は、すべて完全なネアンデルタールから完全な現人類への主要な解剖学的変化が起こった長期間の遺伝子的連続を示している。(p525)
近東とヨーロッパの一部の地域の人間のみがネアンデルタールそのものを直接の先祖だと主張することができる。
それでもなお現人類のすべてのグループが、きっと、あるネアンデルタールのすべてのグループににた旧人類個体群から生まれたのであろう。p526)]

しかるにWikipediaでは

1997年にはマックス・プランク進化人類学研究所のスヴァンテ・ペーボらがフェルトホッファー洞窟で見つかった最初のネアンデルタール人の古人骨からDNAを抽出し、ホモ・サピエンスとの関係を検討した研究を発表。ネアンデルタール人をホモ・サピエンスの祖先とする立場は決定的に否定されるに至った。
ただし、2010年5月7日サイエンスには同じくマックス・プランク進化人類学研究所などによって、アフリカを出たホモ・サピエンスが10万〜5万年前の間に中東でネアンデルタール人と混血していたという論文が収載された。
2010年5月7日のサイエンス誌に、アフリカのネグロイド以外の現生人類には、絶滅したネアンデルタール人類の遺伝子が1-4%混入しているとの研究結果が発表された。これは、現生人類直系祖先であるホモ・サピエンスが出アフリカした直後の10-5万年前の中東地域でそこに既に居住していたネアンデルタール人類と接触し混血したこと、アフリカ大陸を離れなかった現生人類はネアンデルタール人類と接触しなかったことによる可能性が高い。この研究結果が正しければ、出アフリカ後に中東を経てヨーロッパからアジアにまで拡がって行った現生人類は約3万年前に絶滅してしまったネアンデルタール人類の血をわずかながらも受け継いでいることになる。

まだまだつづくのでしょうが・・・
Wikipediaでは2010年5月7日のサイエンス誌特集:ネアンデルタール人のゲノムへのリンクあり・・http://www.sciencemag.org/site/special/neandertal/