『世界文化遺産から読み解く世界史
田中 英道 (著), 育鵬社 (2013/9/25))刊 扶桑社発売
軽く一読して面白いと思ったのは
もともと持っていた神道的な宗教観の上に仏教を取り入れた日本に対して、
仏教が生まれたインドの風土に合わなかった=インドの共同宗教であるヒンドゥー教が人間の欲望肯定しているので廃れた」(p72)
・・・ということ以上に、
「日本の仏教は個人宗教として受け入れられ、個々の人々の中で深められたのに対し、仏教国であるスリランカやインドネシアなどにも言えることは、仏教が共同宗教化して受け入れられているということ。「みんなで釈迦を祭る、祈るということに集中していて、祈る人個人の内面に関心が向かない」(p76)
その証拠として、釈迦像など画一化している。日本以外の国では、大きな仏教寺院はほどんど遺跡になっている、つまり仏教は滅びている。
・・というあたり。観光的には「敬虔なる仏教国」ということになっているが、
確かに、仏像が、なんか幼稚だな〜と(失礼)
あまり精神的なものを感じたことがない・・
因みに東大寺の仏像の絵ハガキを本棚に飾っています・・
写真家の腕だと思っていたりしたが
魅力的な仏像がいっぱいある
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「戦後の歴史家フェルナンド・ブローデルが(経済史観でなく)文明史観を重視し、そこに歴史の構造を捉えた。歴史の中の持続性に注目し、深層における不変の「長波」の文明といっている。
長期持続とは風土に基づくものであり、そこに民族の共同信仰が形成される。」
「今日の「世界文化遺産」の設定ほど、「長波」による世界史の見方を要請しているものはない」「世界史は文化的価値観を中心に書かれなければならない」
あとロマネスク美術についても書いてあった・・興味深い「小著」でした